masayaさんの映画レビュー・感想・評価

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化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

4.2

水彩画のような田舎の風景に、モフモフ巨大猫のあんずちゃんがヌッと現れる絵でもう面白い。化け猫なのに基本怪奇らしいこと何もしなくてめちゃくちゃ面白い。みんな生きてる、それ以上求めてどうすんの。誉められも>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.3

いやぁ最高‼︎冒頭から火力強めシュールギャグ連発で客席を温めてからの、刻一刻と近づく打ち上げ期日、仕事は険悪・ロマンスは順調の二人の関係、政府関係者が暗躍し虚と実がせめぎ合いもう息つく間もない。ありが>>続きを読む

大いなる不在(2023年製作の映画)

4.1

疎遠だった父が認知症の為に保護された。皮肉屋で厳格な父。教え子から慕われる父。そして、家族を捨て愛する人の元に奔った父。相反する人物像を語るに本人は既に信頼し得る語り手ではなくなっていた。人となりとは>>続きを読む

キングダム 大将軍の帰還(2024年製作の映画)

4.1

大人気シリーズ劇場版ひとまずの最終章。中華統一を成し遂げる遠大な歴史大河ではなく、どん底から這い上がった少年が乱世の大将軍に憧れ背中を追いかけた、そして自らの目指す姿として刻印する過程を描く物語として>>続きを読む

密輸 1970(2023年製作の映画)

4.2

工場の廃水の影響で収穫が減って生活に窮した海女さん達が手を出したのは、海底投棄された密輸品を回収するアブナイ仕事!税関の役人、ヤクザにチンピラ、ブローカー。金の匂いを嗅ぎつけた輩共を出し抜いて一攫千金>>続きを読む

SALAAR/サラール(2023年製作の映画)

3.9

幼い日の友との約束を果たしに戻ってきたのは力こそパワーの戦闘民族国家。現代が舞台なのでみんな携帯触ってるけど部族間の勢力争い、家族の骨肉の争い、弱き者を虐げる権力者の傲慢、全て剣と拳で解決!迫力の音と>>続きを読む

温泉シャーク(2024年製作の映画)

4.0

夏だ‼️ビーチだ‼️サメ映画だ🦈‼️タイトルは温泉シャーク‼️温泉で次々起きるサメ被害‼️なんでだよ‼️血潮に染まる浴場‼️警察も自衛隊も敗走‼️サメの罠だ‼️3Dプリンターで潜水艦作って迎撃‼️最後>>続きを読む

フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

情熱の赤を纏う偉大なる跳ね馬フェラーリ。その放つ光が強い分、闇の深さが際立つ。共同経営者である妻との関係は冷え切り、レースの成績ではマセラティの後塵を拝する中、背水の陣で臨む伝統のミッレミリア・・。ア>>続きを読む

潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(2023年製作の映画)

4.1

敵艦は容赦なく沈めるが、救いを求める人間は助けよう。我々は軍人である前に海の男なのだから。浪漫と激情を原動力とし、深海でも愛の歌と心尽くしの料理を友とするイタリアならではの一風変わった潜水艦映画。勝者>>続きを読む

オールド・フォックス 11歳の選択(2023年製作の映画)

4.2

不動産バブルが到来した1989年台湾の街角。貧しい父と暮らす少年が、家主で街の顔役、老狐狸(腹黒い古狐)と呼ばれる男と交流する中で、社会の中での自分の在り方に揺れ動く。手本とするべきなのは善人だが負け>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

描いたから悲劇が起きた。描いたのに誰も助けられない。創作の深くて昏い業を真正面から見据え、それでも彼女が描き続けるに値する、創作でしか救えない魂が存在することを示す。原作の筆致そのままに、彼女達に声と>>続きを読む

朽ちないサクラ(2024年製作の映画)

4.1

親友が殺された。私が彼女を信じてあげられなかったから。救えたのに救えなかった後悔。せめてもの弔いに真相に迫るうちに、事件は思わぬ奥行きを持った全容を現す。人命に軽重はあるのか、それを選択し得る正義は存>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.0

クリスマス休暇なのに家族の元に帰れない、寄宿学校の留守番組の束の間の共同生活。寂しさは気安く分かち合えるものではない。でも相手に歩みよることで、その人のことも、自分のことも少しだけ理解できた。奇跡は起>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.0

高い意欲と正義感を持つ新任教師。彼女が学校の綻びを正そうと取った行動は、生徒や同僚を巻き込む大混乱を生じさせる。表面上は平静でも爆発寸前の活火山のような、教室という社会の箱庭での出来事。そう、これはご>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

4.2

その眼に一度睨まれたら、絶対に逃れられない。幼い娘を猟奇的殺人で殺され犯人を捜す男と、それを援ける女。さながら蛇の狩りのように関わった人物を一人また一人と絡め取り、その仮面を暴き核心へと迫る。情況を、>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

4.0

どうやったら、あんは幸せになれたのだろう。せめて健やかに生きていけたのだろう。彼女は救いを求めた。自分に出来ることをした。一度差した光はコロナ禍に、いや、この国の脆弱な社会福祉の在り方の為に奪われる。>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.2

母を失った少女と、少女の母である姉を確執を抱えたまま失った女性。叔母と姪というだけではない、二人の不器用だけど真摯な共生の在り方を静謐なタッチで描く。それぞれの感情を侵さないこと。理解できなくても尊重>>続きを読む

ドライブアウェイ・ドールズ(2023年製作の映画)

3.6

奔放なジェイミーと堅物のマリアンがフロリダまで車の代行運転。気楽なアルバイトと思いきや、トランクにヤバすぎのブツが載っていて・・お下品、ハードボイルド、友情ロードムービーを行ったり来たり、どこまで連れ>>続きを読む

劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:(2024年製作の映画)

4.1

暴走する自意識、持て余す情緒!陰キャで済ますには型破りすぎるぼっちちゃんの個性を、曖昧だった未来を、偶然の出会いで生まれたバンドと仲間たちが変えていく、素っ頓狂の皮を被った正統派成長物語。劇場で聴けて>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.1

ユダヤ人収容所と壁一つ隔てた、ナチス高官一家が住まう邸宅。その文化的な暮らしは、向こう側と無関係かのように続く。でも破裂音が、叫び声が、そして煙突から上る煙がそこで起きていることを突きつける。知らない>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.1

二人は運命を超えて、破滅を超えて、時空さえ超えた、互いにとっての"絶対聖域"。東京が地球がクソやばいのは元からだし、結局どこかの誰かが何かを望んだ歪みなのだ。うみべのおんたんくそエモい!ありがとう!>>続きを読む

トラペジウム(2024年製作の映画)

3.5

ただただアイドルになりたい少女が手段・ストーリーとして仲間を集めデビューしたけれど、結局グループは空中分解するという異形のアイドル立志伝。どこまでも当然の結末でもある。映画の限られた尺の中で説明不足な>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

3.9

幼い娘が行方不明になって数ヶ月。激しい報道合戦は去り、捜索は進展せず、残された両親にはネットの誹謗中傷がつきまとう。当事者になって気付く世間の凄まじい歪み。打つ手なく、募る孤立感。わずかな光明を求めて>>続きを読む

バジーノイズ(2023年製作の映画)

4.0

孤独でも音楽は作れる時代だ。でも、一度生まれ落ちた音楽は、誰かの耳に届いた瞬間に一人だけの物ではなくなる。音楽がトラックを重ねていくように仲間が増えていき、多彩さを帯びていく音作り。その原点になった">>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.3

運命の人が、想いが通じた瞬間に物理的に消えてしまう。こんなことってある?でもリノは全然へこたれない。何度も出会うその人に想いを伝えよう。その人が忘れたら、何度でも伝えよう。間違ってるかも知れない、滑稽>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.1

自分を確かめる為の旅。どこに居ても、誰と居ても無くならない私自身を確かめに。遠く異国から来た彼女は、南国の光と色に包まれてそう言った。少年にとってはミステリアスな眩い輝き。彼女にとってはきっと必死の叫>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

世間を騒がす事件や社会問題は、その原因と結果ばかりに目が行きがちなんだけど、原因は原因でしかなく、結果は結果でしかない。本質は過程にこそ表れる。そして過程を描くのは映画の本分であるということ。濱口監督>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

4.1

1940年代上海。国共対立に加え日本の侵略を受け、同じ中国人が3つの勢力に分かれ明け暮れる水面下の諜報戦。信念の為、そして時代を生き延びるため。場面は宴席と監獄と路地裏を刻々と行き来し、敢えて排除され>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.2

俺の映画を流す映画館を作る!若松監督のひょんな思いつきが、映画人を夢見る地方の青年達の人生に決定的なきっかけをもたらす。成功を掴むのに必要なのは才能か、運か、情熱か。大失敗も糧に出来るか。不格好で愛し>>続きを読む

戦雲 いくさふむ(2024年製作の映画)

4.1

与那国、宮古、石垣。緊迫する台湾海峡情勢を背景に、自衛隊基地の配備増強が相次ぐ南の島々。有事に最初に犠牲になる島民たちの戸惑いと怒りの反対運動は、行政の不誠実となし崩しの建設強行で透明化されていく。国>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

15歳で人気絶頂のエルヴィス・プレスリーに見初められ、共に生き、やがて訣別したプリシラの半生。彼女はその男を強く愛した。その思いと、彼に委ね、意のままに支配される生活を否定したことはなんら矛盾しない。>>続きを読む

クラユカバ(2023年製作の映画)

4.1

舞台は都市の真下、四方八方に広がる地下坑道網。謎の連続集団失踪を解く鍵は、その昏がりを抜けた先にある。講談調の快い語りと印象的なキャラクターたちに導かれ、魅惑のレトロ幻想空間の冒険へ。チャランポの主題>>続きを読む

クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.9

巨大な炭鉱の上に出来た町「箱庭」。日々方々で新たな坑道が掘られ、誰もその全容を知る者は居ない。危険を冒して地図を作る子供たち、未知の富や力を求め策謀を巡らす大人たち。煤けた地下世界を縦横無尽、ロマンと>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

自殺した女性の身体と胎児の脳を持つベラが世界を知る為の旅に出る。良識を盾に無垢な精神を食い物にすることで成り立つ歪な社会で、学び、経験して自分の意志で生きることを選びとった彼女の"生きて還りし"大冒険>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

彼の発明は、宇宙の真理に果敢に踏み込んだ人類の偉大な進歩であり、同時に人類が自らを滅ぼす力を手にした新世界の誕生を意味した。もたらした破滅的な結果に、倫理観とのジレンマに苦悩する科学者。科学者が苦悩す>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.1

大きな宇宙船がやって来て、沢山の人が死んだ。決定的に姿を変えた世界で、取り繕うように人々の日常が続く。そんな時代でも少女たちには唯一の生きる時代。平凡というには特殊すぎる青春を謳歌する二人と、更なる破>>続きを読む