masayaさんの映画レビュー・感想・評価

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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.2

君の故郷が、家が、他所から来た連中に突然壊されたらどうする?それが今、ここで起きていることだ。
ヨルダン川西岸の村で始まったイスラエル当局による強制退去を、村の青年とユダヤ人青年が組んで報じる。映像の
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TATAMI(2023年製作の映画)

4.2

柔道世界大会で快進撃を続けるイラン女子代表のレイラは、突然祖国の協会から棄権するよう迫られる。理由は、決勝で敵国イスラエルの選手と対戦する可能性があるから。馬鹿げた理由でスポーツに政治が介入する愚かし>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.1

ショーガールのアノーラがロシア富豪の御曹司に見初められて電撃結婚!と思いきや、当然の如く認めない両親側の横槍が入る。追う坊ちゃんのお守り軍団!断固抵抗するアノーラ!肝心の御曹司は逃走!カオスと狂騒の捜>>続きを読む

ゆきてかへらぬ(2025年製作の映画)

4.0

詩人中原中也の早熟で歪な天才ゆえに生まれてしまった、奇妙な三角関係の顛末記。最中にある時は神経を擦り減らし、終わってみればただ不幸と呼ぶほかなかったその時代の三人の姿が、なぜか艶やかに香り立つような輝>>続きを読む

ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.3

ホロコーストを生き延びたどり着いた新天地アメリカは、才能を表向き歓迎しながらいつでも異分子への排斥に転じる心安らげぬ土地。移ろう人の心に左右されない、普遍としての芸術を残したい。印象的なインターミッシ>>続きを読む

愛を耕すひと(2023年製作の映画)

4.1

後半生の一発逆転を、未開のユトランド開拓に賭けた男。困難な事業の果てに、爵位も領地も報酬も、当初夢見たものは全て手に入れたが、その途上で思いがけず出会った家族の繋がりは残らなかった。どちらが彼の本当に>>続きを読む

セプテンバー5(2024年製作の映画)

4.2

始まったばかりの衛星中継を通して、協調主義の新生ドイツをアピールする平和の祭典になる筈だった1972年ミュンヘン五輪が、国際テロリズムの餌食になる。そこにある事実を報道する責任、かつて過ちを犯した国家>>続きを読む

ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

4.2

良い夫婦じゃなかった。最高の結婚生活じゃなかったのに、過去に戻れるとなったら、願ったのは事故死した夫が生き残れる道だった。でも、本当に変えたかったのは、あの日か、あの日々か。語り口の巧さと、主演2人の>>続きを読む

野生の島のロズ(2024年製作の映画)

4.2

最新のお手伝いロボット・ロズが飛行機事故で漂着したのは動物達しか居ない島!思いがけない子育てをきっかけに、心としか呼べないものを持ってしまったロズと生き物達との共生への願い。美麗で躍動感溢れるアニメー>>続きを読む

メイクアガール(2025年製作の映画)

3.6

彼女作れば?って言われたから作った(物理的に)みたいな男子高校生の与太話始まりにしては、えらい遠い所まで連れて行かれる。男の子が普段からロボットの研究してるからシンギュラリティAIと思ってた"彼女"は>>続きを読む

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

3.7

返還前の香港、密航者で急増する人口を吸収して膨れ上がった巨大スラム・九龍城砦!シマの奪り合いとか敵討ちとかで功夫バトルを堪能できる。ワイヤーアクションこんな雑なん?ってびっくりしたけどなんかそんなノリ>>続きを読む

TOUCH/タッチ(2024年製作の映画)

4.0

60年代ロンドンの街角で生まれて消えた、アイスランドの青年と日本から来た娘の小さな恋。人生が終わりに近づき、あの日の謎を追うかつての青年の最後の旅が、五十年の月日に埋もれかけた運命の数奇を解き明かす。>>続きを読む

美晴に傘を(2025年製作の映画)

4.1

自閉症で聴覚過敏を持つ美晴は人一倍繊細で傷つきやすい。世界には美晴を傷つける雨が降りしきっているから、傘を差してあげなければ。両親の思いは傘になって彼女を守るけど、ずっと一緒に居られる訳じゃない。
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港に灯がともる(2024年製作の映画)

4.1

心の傷の理由は人それぞれで、他人には分からないのが当たり前。なのに家族なら分かり合えると思ってしまう。だから理解しない相手を許せず、頑なになる。震災から三十年の神戸の町で、この歳月に絡まってしまった蔦>>続きを読む

太陽がしょっぱい(2023年製作の映画)

4.2

見た目で人生は随分違ってくる。その時はちくわパン一個分の差でも、積み重なったらとんでもない大損なんだ。だから私は整形したい。多感な時期に抱くコンプレックスと、本人や周囲の向き合い方を軽やかに、でも丁寧>>続きを読む

室町無頼(2024年製作の映画)

3.9

飢饉、疫病、苦役に重税。都の街路という街路には死体が積み重なる。時代はただならぬ気配を漂わせ、ただ一つのきっかけを待っていた。ここから百年以上続く戦乱の時代の先鞭をつけた名も無き男の生き様を、ウエスタ>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.0

おもしろ!最初違う映画始まった?と焦る正史パラレル0話によって物語の厚みを確保した上で、途中から大胆に作風変えてコロニーの貧民街へ。あのキラキラは何?ハロかわいいね!女の子もね!でよく分からないけど解>>続きを読む

夏の庭 The Friends 4Kリマスター版(1994年製作の映画)

4.1

ひどいボロ家に1人で住んでる今にも死にそうな爺さん、いつ死ぬか見張ってやろうぜ。小学生男子3人組の悪ノリから始まった、忘れられないひと夏の出来事。少年たちには途方もなく未知で、それゆえに惹きつける死の>>続きを読む

レッド・サン 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

4.0

開国日本の使節を乗せた汽車が荒野で襲われた!奪われたミカドの宝剣を追って、滅びゆく美学と主命を帯びた武士と裏切り上等、西部のゴロツキの道中が始まる。異文化間の友情はありやなしや?東西豪華キャスト競演狂>>続きを読む

お引越し 4Kリマスター版(1993年製作の映画)

4.2

両親が別居することになり、母親と二人暮らしを始めたレンコ。不可解で身勝手に思えた大人の選択を、少女は過去を葬るという形で受容する。子供時代の終わり。ダイナミックなカメラワークや構図に目を見張り、天才子>>続きを読む

どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.2

どうすればよかったか?
正しい答えは初めからあった。それは、選べなかった。

優秀だった姉に現れた統合失調症の症状。医療関係の研究者だった両親は、治療ではなく、姉を自宅に閉じ込めるという選択をした。世
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海底軍艦(1963年製作の映画)

3.8

海辺で次々起きる怪事件、それは海に沈んだムウ帝国の復権を狙う皇帝一味の仕業!圧倒的科学力で攻め寄せる帝国の野望を挫くには、こちらも滅亡した大日本帝国復権を狙う元軍人が作り出した海底軍艦の力が必要・・平>>続きを読む

カルキ 2898-AD(2024年製作の映画)

3.5

800年先の文明崩壊後の世界を語るのにも、インド映画では神話の時代から語らなければならない...ヴィシュヌ神の再臨であるカルキの到来を待ち焦がれる人々、運命の子を宿した妊婦。デスロードでスターウォーズ>>続きを読む

妖星ゴラス(1962年製作の映画)

4.1

日本の土星探査船が、太陽系に接近する謎の黒色矮星発見の報を残して消息を絶った。星の名はゴラス、このままの進路では地球滅亡は免れない!人類が手を取り合って危機に臨むレトロフューチャー&ごった煮ディザスタ>>続きを読む

私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)

3.8

栄光が約束されていた筈の作家生活を不遇なものにした、不倶戴天の敵の大物小説家をあの手この手でやっつける!文豪たちが愛した山の上ホテルにふさわしいエネルギーの原動力は怒り。怒り×破天荒×コメディで加速度>>続きを読む

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.2

旅行中に夫と喧嘩別れしたヤスミンと、生活に追われるモーテルの女主人ブレンダ。孤独を抱えた二人の中年女性を中心に、魅力的な登場人物たちとユニークすぎる映像表現、泣きの名曲、そして青すぎる空が心を鷲掴みに>>続きを読む

中島みゆきコンサート「歌会 VOL.1」 劇場版(2024年製作の映画)

5.0

はじめ軽やかに、徐々に力強く。
感染症禍や戦禍を経て再開された最初の公演を記録した劇場版。世界的な危機の中で困難を強いられた人たち、虐げられた人たちへ捧げる曲や、喜びも苦しみも、同じ時代を生きてきた私
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I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

4.0

夢はNYで映画を学ぶこと、今の毎日は天才の僕にとっては"仮"のもの!拗らせまくりの映画少年の目も当てられない、そして愛すべき黒歴史の記録。他人を隔てる壁だった彼の「好き」が、どのようにして他人と繋がる>>続きを読む

お坊さまと鉄砲(2023年製作の映画)

4.1

善政を敷いてきた国王が退位し、穏やかな形で民主化を迎えたブータン。でも、国民はそもそも民主主義も、その必要性も知らない。民主化しなくても幸福だった国で、人々が投票に行くには?TVとインターネットと引き>>続きを読む

ヒューマン・ポジション(2022年製作の映画)

4.1

それは座り心地の良い椅子の話。休息を得られ、安定した居場所としての椅子。暮らす家のことでもあり、町や仕事や国のことだとも言える。普段意識していない権利に気づくこと。大切な椅子を守る。全ての人に椅子を用>>続きを読む

はたらく細胞(2024年製作の映画)

4.2

健やかなる時、病める時、カラダの中と外で何が起きているか?の対比で魅せる。コミカルでファンシーな導入から一転して戦争映画かってなるシリアス展開。常に役割に一生懸命な細胞たちがいじらしくて泣ける。面白く>>続きを読む

人生は、美しい(2022年製作の映画)

4.0

家族から蔑ろにされて日々を惰性で生きていた女性が余命宣告を受けたことで一念発起!初恋の人に会いに行く宣言。呆気に取られる旦那を道連れに韓国全土を走り回る。初恋に会うのが真の目的じゃないのは彼女は自分で>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

この恋が結ばれないことは理解している。でもこれは他生の縁が取り持った運命だから、きっと二人は生まれ変わってもまた出会う。なのに去り際に涙が溢れるのは何故だろう。平凡な人生のいくつもの取り返しつかない選>>続きを読む

奇跡(2011年製作の映画)

4.3

ふくおか国際映画祭で鑑賞。
九州新幹線の開業を背景に、子供たちの生き生きとした輝きと家族の絆を是枝監督の温かい眼差しで切り取った記念碑のような作品。上映後には監督と子供たちが14年越しに集まるトークイ
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ゴンドラ(2023年製作の映画)

4.1

山あいの渓谷を繋ぐ一対の古びたゴンドラ、それが2人にとっての全て。無邪気で一途で時に官能的な、すれ違う一瞬だけのランデブー。ほとんどセリフなしなのに、奇想天外なやり取りと風の音と息遣いが能弁に語る。空>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

4.0

拘置所を脱走し、顔を変え、名前を変えて男は逃げ続ける。本来当たり前に享受すべきだった人生と日常を取り戻す為に。人が人を裁く危うさ。例え誤った判断をしても、いつか必ず正しい答えを導きだせると、この社会を>>続きを読む