オオイタ

クラッシュ 4K無修正版のオオイタのレビュー・感想・評価

クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)
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途中までこれは設定やギミック重視で中身がないタイプの映画だと思っていたけれど、ラスト夜ヴォーンとの衝突から最後のカットまで"確かさ"が感じられて、なるほどこの映画は強い意志で生まれたのだと理解できた。まぎれもない恋愛映画じゃないか、と。

倦怠カップルが愛を取り戻すための自動車を介したコミュニケーションは、性と自動車まみれで正に20世紀的だ。同時に警察官やそのフェティシズムを否定する人物がいないあたり、映画が日常の細々としたものを徹底的に排除した虚構であることを改めて強く感じさせられる。ただこういった作品が今は作れないだろう(作る意義がないだろう)と思わずにはいられなかった。
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