どど丼

映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコのどど丼のレビュー・感想・評価

3.4
待望の新作。個の意志を否定する思想、即ち社会主義・全体主義に繋がる悪しき思想を否定する文脈で民主主義国家内部における生の在り方が問われる。本作は生々しい現実社会を愛らしい小怪獣達の世界に置換する事で我々に「たかが小児向け作品だろう」と先入観を植え付けているが、本質的に捧げているのは、個人主義の風吹く現代日本に生を受け将来を嘱望されながらも自己の在り方に不安を抱く全ての若者達への激励である。

本作は社会の隅に生きる人々に限らず、誰もが夢という名の理想を掲げ、あるいはそれに向けて再起すべく奔走する契機を与えてくれる、紛う事なき人間賛歌と云えるだろう。
どど丼

どど丼