誰かの花のzumitarouのネタバレレビュー・内容・結末

すごかった　ヘレディタリーっぽいっていうのわかるけどある意味ヘレディタリーよりも陰湿ですごい

人間が向き合って対話することがあんまりなくて、座談会とかエレベーターとか電話ごっことか鉄工所で無視する同僚に喋り続けるやつとか、誰かに向かって話してはいるけれどその人に向かっては話してない、独り言だけど独り言とも違う独白の中でその人の本音が語られる感じが印象的だった。

オチは、「花をあげようと思ってるんだ」が出てきた時点で察しがついて、冷蔵庫の前に立った時点でもうこれは…とは思ったけど、予測できるのがむしろ効果的というか沁み渡る流れだったと思う。
加害者への処罰欲求みたいなものについて考えた。葬式のシーンが一番すごかったと思う
トークイベントで、「被害者側が加害者になってしまったときに、被害者だったんだから許してほしいと思ってしまう感じ」っていうのが出てきて、たしかにと思った。あと、長谷川と初対面で握手をするくだりについて、タカアキは鉄工所勤務だから手が汚れているっていうことが出てきて、なるほど…と思った。
とにかく全編にわたって不穏さがすごい良かった、被害者の会のあのリアルさと、後半のときの加害者が許せないみたいな話が刺さる感じとか
結局そうたは真相を知ってたのか？
子役の子すげーと思ったけどトークは結構年相応な感じで微笑ましかった。とはいえ最後そうたはたかあきの腹を殴るくだりで何を考えていたのか？と聞かれて「それはあの時のそうたにしかわかりません」と返すあたりうまいな…と思った。