鰤鰭

誰かの花の鰤鰭のレビュー・感想・評価

誰かの花(2021年製作の映画)
4.0
全編通して映画都合の作為的な展開が全く無く、ただ普通の日常に突然起きてしまったどうすることもできない出来事を経て、少し形が変わった日常がまた続いていくだけなのが辛い。

因果の元を辿ると被害者家族の行動がきっかけになっているのもやるせ無い。あの時料理を作っていなければ、途中で買い物に出なければ、一人で進めて怪我をしなければ、下階のおばあちゃんを頼らなければ、ベッドに縛っておけば、病院に連れて行かなければ…

そのたらればを想像したとしても、ラストまで見ても結局のところ真相は誰にも分からない。花は採ったのかもしれないけれど、そこで鉢を落としたのかは神のみぞ知る。

うっ、ってなるシーンの多いこと。

・鉄工所でずっと一方的に喋り続けてる主人公
・卵
・「ネクタイの結び方分かりますか?」
・葬式の威圧的な親父、マイク
・ヘルパーを辞めさせる電話の感じ
・「落としましたよね?」
・被害者の会のリアリティ
・手袋を洗う母親の形相
・「意識は戻るものと思っていた。コントみたいで恥ずかしくて、笑ってやろうと思ってました。」
・ドア越しの啜り泣く声、なんでこんな人がパンジー育ててたの?への回答
・「避けられなかったんですか!?」
・エレベーターの会話
・「少しでも笑って過ごせるようになるように。あなたもそう過ごしてください。」
・リモコンでの兄との電話

【鑑賞回数】1
【鑑賞履歴】
・2024/2/1 🎞️シネマ・ジャック&ベティ
鰤鰭

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