「こんな客いるわけないよ」と「本当にこんなようなこと言う人ばっかりなんだよなぁ」の気持ちが交互に押し寄せながらホテル勤務時代に想いを馳せた。YESが絶対なの?無理難題にも何でも叶えなきゃいけないの?この疑問は、当時よく思っていた。映画のは誇張、あんなに言いなりになるわけではないけれど、お客様満足度を上げるべく滑稽なほど献身する。
言いなりになって要望に何でも応えることが"良いサービス""尽くす"ではないと個人的には思う。思いもよらないような、先回りができてこそ、一流と呼ばれるのでは。
犯人探しや血みどろ劇が焦点でなく、動機を丁寧に描く東野作品の人間ドラマはいつも面白い。原作ファンにとっては、どうしてもあぁじゃないこうじゃないという気持ちがあるかもしれないけれど、これはこれで十分たのしい。