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Veslemøy's Song(原題)
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『Veslemøy's Song(原題)』に投稿された感想・評価

[失われたヴァイオリニストの肖像] 100点

2020年で観た中で一番良かった作品。圧倒的大傑作。祖母の指示で書庫を整理していたオードリー・ベナックはある本を発見する。それはキャスリン・パーローという20世紀初頭の偉大なヴァイオリニストについての本で、祖母に訊けばトロント交響楽団でヴァイオリニストをしていた祖父のメンターであったそうな。"彼女は私に一度も満足したことはなかった"という祖父の詩篇と共に掘り起こされるのは、忘れ去られたカナダの偉大なるヴァイオリニストの断片的な記憶である。パーローのために作られた協奏曲"Veslemøy's Song"を探してカナダから遙々ニューヨークの公共図書館にやってきたオードリーは、壊れかけのレコードからパーロー自身が演奏した音源を聴き始める。音楽や記憶の中に時間的な断絶はないが、音や物質(レコード)の中に時間的断絶が見え、それらを16mmのフィルムで撮ることで現実からも少し外れているかのような感覚すら与える。

本作品はゼーバルト『アウステルリッツ』のように、"虚構が現実に血肉を与える"作品といえる。なぜなら、祖母として登場するジョーン・ベナックは実在の人物で、既に亡くなっているヴァイオリニストの夫(先述の祖父)も実在の人物であるが、孫であるオードリーは Deragh Campbell が演じる架空の人物であり、彼女が現実を調査するドキュフィクション的な作品になっているからだ。そして、これは『Never Eat Alone』(2016)や『MS Slavic 7』(2019)といった監督の他の中編作品でもしばしば繰り返されてきた。オードリー、或いはナレーターの語りによって、虚構を入り口にキャスリン・パーローという実在の音楽家の断片的なポートレイトが紐解かれていき、彼女の音楽を実際に聴く長回しでそれは最高潮を迎える。

しかし、レコードが壊れかけているせいで音源は途中で終わってしまった。100ページあるという協奏曲にしては短すぎる尻切れトンボのような終わり方に対して、姿の見えない司書は神のように断絶を提示し、去っていく。呆気なく翼をもがれてしまったオードリーは、パーローや祖父母に思いを馳せながら、味のしないサンドイッチを頬張る。虚構を入り口に現実に血肉を与えた映画が行き着く先に、まるで現実を超えた不可侵の神秘が存在しているかのような、実に不思議な余韻を残す作品だ。
Zealot

Zealotの感想・評価

3.2
短編/ ドラマ
#/2022_089

飛行機の中で見たなあ,,,!