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ブレット・トレインのIDEAのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
4.0
「アホみたいな映画やったな。」
久しぶりに一緒に映画館に行った母が、帰り道にそう呟いた。

仰る通り。全くもってアホみたいな映画だった。
しかし母よ。あなたはつまらなかったらすぐ寝ちゃうだろう?なのに今作は寝なかった。
と、いうことは…!?


アクション映画ではあるが、ブラックコメディとも感じられる何とも不謹慎気味のギャグシーンには、こりゃあ合わない人は全くダメなやつだわぃと思いつつも「ウフフ…」と微笑むマスクの内の私。

外国人のフィルターを通して見たぶったまげJAPANの波状攻撃には「またやったなハリウッド…」と呆れているように見せかけて「ガハハ!」と心の中で爆笑する。

まさしく評価が真っ二つになりそうな作品であったが私は良しとしたい。

惜しむらくはストーリーにアクセルがかかるまでがやや長い。
最後まで観ると話をきちんとオトすためには必要だったようには感じるが、"弾丸列車"のキャッチフレーズから受けるようなノンストップアクションを期待していた方にとっては序盤を越えるまではやや退屈に感じられたやもしれない。

今作で一番輝きを放っていたのはもちろん流石のスター性だったブラッド・ピット…いや、キレのある刀捌きを見せつけた真田広之…?
ではなく、アーロン・テイラー=ジョンソンを推したい。
にじみ出る色気に、力の宿った瞳、立ち居振る舞いが一流を思わせた。

そうそう、先日何かのインタビューで目にしたことには、アーロンはノーラン組に加わるべく『TENET』への出演を渇望していたとのこと。
結果見事役を勝ち取り出演、出演時間こそ長くは無かったが確かな存在感を示していた。

そのインタビューでも言及があったように、ノーラン監督は同じ俳優と仕事を重ねることで知られている。
今作『ブレット・トレイン』にて確かな実力を示したアーロンも、『TENET』でできたノーラン監督との縁を活かしキャリアを重ねて、近い将来ノーラン監督作品にて主演を務めるのだろうと強く感じた納得の好演ぶりであった。


IMAX版の入場特典のミニポスター、日本画を思わせる粋なデザインで大変に良し。
パンフレットの表紙のタイトルはエンボス加工、裏表紙はアメコミ?風で雰囲気◎である。
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