天パのT

ブレット・トレインの天パのTのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.5
新幹線風(東京発京都行き笑)の電車に乗り、とあるスーツケースを奪って途中下車するという簡単なもののはずだったが、電車を降りたくてもどんどん邪魔者(殺し屋)が現れて降りられない……こんな感じのことをひたすら2時間繰り返す映画だ。
ツッコミどころは色んなところにあるが、それを真面目に観て心を悩ませるのでは、この作品の正しい見方とは言えない。むしろそれを楽しみながら、時間が過ぎるのを待とう。そういう意気込みで観るべきだ。基本コメディで、生身の人間が走ってる新幹線の車体に捕まるなど台詞だけでなく映像でも「そんなわけあるかい」と笑ってしまう。ちょっと時代錯誤の笑いの取り方もあったけど(日本人なのにお辞儀しないのかよって発言とか、LGBTQネタとか、自分はそんなに気にならなかったけど人を選ぶかも)。
日本人としては、ツッコミどころは海外が描くヘンテコな日本なわけだが、そこは意外にも、ほとんどの場面が新幹線(っぽい架空の電車"ゆかり号")の中で繰り広げられるから、個人的にはそんなに気にならなかった。ただ、変な場所に富士山があったりとか、新幹線の駅なのに静岡の駅ぐらいショボかったりとか、そんな感じでトンデモ日本をツッコむことができるシーンはちゃんと沢山出てくるから乞うご期待。

ほぼ車内で繰り広げられるアクションは、狭い世界観の中でバリエーションが沢山あり、楽しい。『デッドプール2』の監督作品だけあって、R15で、暴力描写もデッドプール寄りのポップなグロさ。
また、東京から発車して京都に着くまで、東海道新幹線の各駅にちゃんと停車するのだが、その度に新しいキャラクターが乗ってきて死闘を繰り広げる、このスタイルは面白かった。この感じは本当にこの作品ならではの楽しさだったな。
ただ、やっぱりひたすら車内で殴る蹴る流血する、なのでちょっと飽きて時間を感じるスキは多かったかな…同じようなシーンも多く感じた。あとクライマックスの、ああやっぱ電車が舞台だからこうなるよねー、なシーンはCGが結構ひどい。

とんでもなくヒドイ映画(繰り返すが必ずしも悪い意味ではない)だが、なんとなく刺激欲しいなーと思うときに観るのがオススメ。
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