風来坊

ブレット・トレインの風来坊のレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.5
未来なのか過去なのか時代設定がカオスだし、相変わらずの外国人の妄想ニッポンに辟易しますが、伊坂幸太郎原作なんかどっか行ったおバカアクション映画と聞いていたので許容範囲です。

ただ原作に目を付けてこだわったなら、日本人役は少しでも日本語を話せる人をキャスティングして欲しいですね…。
木村のカタコト日本語はハッキリ言って最初に興醒めしてしまう…。

冗長な会話だったり人の命が軽かったりクセのある人物が入り乱れる感じはクエンティン・タランティーノ監督の雰囲気に似ています。
ヘンテコニッポンでテンション高い曲が流れる中で繰り広げられるバイオレンスは「キル・ビル」にも似ているので、「キル・ビル」が好きな人は好きだと思います。

列車内のバーに従業員が全くいないとか、着ぐるみが列車内を歩いていて違和感を感じないとか、警察はいない世界なのかとか、ご都合主義バリバリですがおバカ映画なのでツッコむのは野暮かと思います。

主人公が頭がキレるんだかキレないんだか、強いんだか弱いんだか分からないけれどタフな事は間違いないのは好きですね。
ジョーイ・キングさん演じるプリンスの性悪ぶりは

中盤まではおバカ全開ですが、終盤からはそれぞれの思惑が繋がる感じでミステリーぽく、伊坂幸太郎さんの原作だったて事をほんの少しだけ思い出させる。終盤のハチャメチャなアクションはスケールが大きいしハチャメチャ感が楽しい。

ゴア描写は定評のあるデヴィッド・リーチ監督なので血はビシャーっと飛び散りまくります。
製作に好きな監督のアントワン・フークアさんがいるけど、あまりフークワさんの色は出てない気がしました。完全にデヴィッド・リーチ監督の映画って感じです。

どうでもいいけど、あれはオレンジでみかんじゃないよね?
向こうじゃ同列扱いなのかも知れんけど…。
日本リスペクトというより小馬鹿にした感じと、このハチャメチャな世界観で評価は分かれますが、おバカに振りきった感じは嫌いじゃないけど傑作と言うには何かなぁという感想の映画でした。
風来坊

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