映画の脚本や監督の仕事をしている薫はなかなか良い脚本が書けずにいた。
そんなある日、元恋人から結婚するという報告を受けるのだが…というお話し。
映画を観る人は映画に何を求めているのだろう?
楽しい時間を過ごしたいっていうのは勿論だけど、イヤな現実からの逃場を与えてくれる世界に浸りたいとか、辛い出来事を忘れさせてくれる理想的な物語りを見せて欲しいだったりもします。
でもそれだけじゃなくて、その映画を作った人の“こたえ”を知りたいって思う事もあります。
イヤな現実、辛い出来事への向き合い方。
そしてそれが自分に合っていた時、その映画は自分にとって忘れられないものになります。
イヤな事、辛い事を乗り越えるっていうのは、いつもと同じ普通の朝を迎えるっていう事。
そしてそれは、映画の世界からいつもの現実に戻る事に似ています。
そんな風に感じさせてくれたこの作品は、僕にとって忘れられない作品になるような気がします。