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ボクたちはみんな大人になれなかったのBeeのレビュー・感想・評価

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原作を読んだのは中2の頃だったなあ。
14歳の僕にはどこかリアルな大人像が全面に映し出されていて、それがどこか怖くて結構センチメンタルな気持ちに襲われてまた読もうと思えなかったけど心に残ってる大事な作品の一つだ。

それが数年経って映画化、漫画のアニメ化と一緒で思ってた声と違ったみたいな違和感を感じた。活字で表現された風景を読み手の僕らは好き勝手に想像して簡潔させられる特権を無条件で得れるしそれが何よりも素晴らしいモノであるということに気付かされた。エッセイというものは実写化するべきではないと思ったし、それはもう何か別のものになってしまっているなという印象。

高円寺の商店街の入り口の無限堂はもう存在しないし、世の中が変わることをオトナと表現することはできなくもないが僕はそれは好きじゃないし好きになれない。

映画のラストで東京の朝焼けを映すカット、あれだけはリアルだったし、この作品をみた誰もが共有できる事実なショットだった。朝まで呑んで帰る時の朝、朝まで公園で語り尽くした日の朝、仕事が終わった時の朝、僕たちのは朝が表現されてたなと思う。
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