良かった。
過去に未練があったり、振り返ることの多い自分には凄く感じるものがあった。
フツーが嫌だったかおりは、結局フツーの人生を歩み、かおりの影響でフツーを避けてきた佐藤は、ずっとかおりに縛られ生き続ける。
しかし振り返ってみると、別になんてことないフツーの人生を歩んでいた自分に笑っちゃうラストも好き。
現在から話が始まり少しずつ過去に戻る構成も、どんな先が待ってるか分かるからこそ切なさが感じられた。
100日後に死ぬワニと同じ感覚で、なんでもない日常が凄く大切に思えた。
フツーな人生は嫌だというかおりのサブカル女子の痛い感じが嫌だ、という声も見受けられるが、若さゆえのものであって、見るべき点は、誰もが持っていた「自分はフツーにはならない。特別な人間だ」という考えをかおりも持っていたという点だと思う。
サブカルじゃなくてギャルで浜崎あゆみだったり倖田來未が良く出てくる設定でもいいけど、単純にサブカルチャーが監督の世界観に合っていたという話だと思う。
過去に戻ってやりなおしたいことが沢山あるし、死んだらつよくてニューゲームできないかな？ってよく考える自分には、過去を振り返るこの作品が沁みた。
改めて良かったと思う。
