『ほんとフツーだわ』
46歳になった佐藤は不満を抱えたまま惰性で仕事を続けていたが、90年代から現代までを駆け巡った自分の人生に思いを馳せ…というお話
一言で言うと『エモい』
使い方間違ってなければ『エモい』
俳優達も軒並み素晴らしいです
時代時代の一瞬、イキってた頃、DTだった頃、スレてしまった頃、大人になってしまった今をとても上手に演じられてました
特に佐藤のある種青春そのものであるかおりを演じた伊藤沙莉さん、素晴らしかった
いや、ほんと、そうだ、文通で友達を探して、ポケベルで連絡し合い、MDをかけてドライブして、心許せる仲間と朝までバカ騒ぎして、着メロでメールが来て、すれ違って、別れて、再会して、気付いたらみんな大人になってました
映画のように、西陽はノスタルジックに世界を染めていました
あの輝きは、あの輝きに染められた全ては、もう絶対に戻らないのだけれど、わたしの手元にもそんな輝きを帯びた物が幾つかまだ残っています
それを手に取る時、私もフツーなこの人生を思い返して、佐藤のように涙ぐむのです