「お笑いBIG3」の1人、ビートたけしさんの下積み時代。
彼の師匠であり「幻の浅草芸人」と呼ばれた深見千三郎さんとの師弟関係を垣間見る――。
たけしさんといえば、私にとってはすでに地位を確立した後の司会業や、バイク事故を経ての映画監督としての存在感が強い。不遇の時代やその歴史を知らなかった。
だから、とても新鮮だった。
監督の劇団ひとりさんは、たけしさんと柳楽くんに「天才ゆえの孤独」という共通点を見出した。なんとなく分かる気がする。そしてそれは、ひとりさん自身にも通ずるような。
芸人さんが観たら、この作品の重みは半端ないだろう…と想像する。誰もが知る芸人の誕生の物語。
「ばかやろうこのやろう」って口が悪いなぁと感じていたけど、師匠の口癖を受け継いでいたと思うと、なんだか愛おしい。