このレビューはネタバレを含みます
朝井リョウの原作を読んだ直後に映画を観たので、どうしても比べてしまった…
随所に原作と異なる演出や設定があり、それも大きく変えているところもあった。
水に沈むシーンは原作にはなく、映画ならではの映像表現だなと感じたし、印象的なシーンになっていた。
一方で、夏月が家に植木鉢を投げたり、佳道が同級生と“一般的な”恋愛を試そうとしたり、2人の再開が事故だったり、、そんなシーンはなくて。これらの変更によって、2人の思いやつながりが原作よりも浅はかなものに見えてしまった。原作ではもっと、2人の間に、動かぬ静かな情熱みたいなものがあったのに。
ほかにも異なる演出は多数…。
もちろん原作と何も変えないのは難しいけれど、もし変更するならば、相当の覚悟と構想を持って変えなければ、重要なメッセージやそこにつながるキャラクターがぼんやりとしてしまう気がした。