ツクヨミ

ヒロシマへの誓い サーロー節子とともにのツクヨミのレビュー・感想・評価

4.1
大事なのは理解して声をあげること。
サーロー節子は原爆被爆者として"核廃絶"を訴える語り部として活動してきた。そんな彼女を被爆から現代まで追う…
"核廃絶"を訴えたドキュメンタリー作品。今作はサーロー節子さんの被爆体験と核廃絶運動を行なっていく過程を当時のアメリカや日本情勢を交えて映していて心打たれました。彼女はただ一辺倒に核廃絶を訴えていたのではなく、当時の情勢を鑑みて声を強める時はしっかり強めていた…この姿勢は人々に知ってもらうためには確実な手法だなと感嘆。
そしてサブとしてプロデューサーの竹内道さんが言っていた"母は被爆者であることを隠すために原爆証言をしなかった"は日本人の価値観を克明に表していました。原爆犠牲者はどれほど差別を受けてきたのだろうか…サーロー節子さんのように活動できる人は素晴らしいが、証言できずに胸に秘めた思いを解放できない人達のことを忘れてはいけない。
全体を通して"活動と声をあげる"ことの大切さを教えてくれた良い作品でした。自分の力は小さいものだがこのレビューを通して本作の持つ力を誰かが感じてくれれば幸いです。
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