余命宣告を受けたイケダさんの2年を60分にまとめた日々の記録(一部フィクション)。
正直足りない。短すぎる。もっとイケダさんの語りを聞いてたかった。風俗REC見てたかった。でも彼はもうこの世にいない。イケダロス。
妙に愛嬌のあるイケダという存在。ずっと前から知ってるような感覚すらある。
遺作にしてデビュー作ってなんだ。なんで死んだのだ。
しかし余命宣告されてなければ制作されることもなかったこの作品。
亡くなったからこそ出会えたイケダ。
生きていれば出会えなかったイケダ。
なんという爪痕の残し方。
この作品がどうというより、イケダという人が生きて40歳そこらで死んだということをこの映画を通じて知った。そのことになにか胸を打たれる。
知らないところで生きて知らないところで死んだ知らない人の話を図らずも大阪の小さい映画館で15名くらいの他人と一緒に観て観終わった観客たちはそれぞれの家に散っていくのだけど、この15名には共通点があってそれはイケダという存在を知ったということで、そのイケダというのは大学を出て公務員として働いて余命宣告を受けて胃がんで死んだ人で、彼は死ななければ私達に知られることもなかっただろうし今も風俗に通い続けてたかもしれない。
けれども彼は死んで映画になって……と延々ループしそうなのでやめるけど、なんかグッとくる。
あぁイケダという人がいたんだなあと思えてそれで満足。