【人間ラジコン】 チープなモンスター造形ながら「悲鳴で倒す」を銀幕の外側にまで展開した傑作『ティングラー/背すじに潜む恐怖』や『インセプション』のような脳内スパイ映画『危機一髪!西半球最後の日』を観てすっかりウィリアム・キャッスルのことが好きになった私。調べていくと、日本で知られているホラー映画、ギミック映画の側面は氷山の一角であることがわかったので、敢えて王道から外して観ている。今回紹介するのは彼の遺作である『SHANKS』である。日本未公開であるが、本作はパントマイムアーティストであるマルセル・マルソー主演作であり、なんと第47回アカデミー賞作曲賞にノミネートされ、『ゴッドファーザー PART II』(ニーノ・ロータ、カーマイン・コッポラ)、『チャイナタウン』(ジェリー・ゴールドスミス)、『オリエント急行殺人事件』(リチャード・ロドニー・ベネット)、『タワーリング・インフェルノ』(ジョン・ウィリアムズ)と闘っている。作曲家が無冠の帝王アレックス・ノース故に受賞はできなかったものの、テレビ放送含めて日本未紹介なのが意外だった。そして、この作品、とても面白かったです。