朝田

マ・レイニーのブラックボトムの朝田のレビュー・感想・評価

3.7
凄まじくヘヴィーな傑作。1日のシカゴの録音風景から徐々に炙り出されるアメリカ音楽史のダークサイド。ミニマルな規模感ながら現代に繋がる主題に切り込む手腕に圧倒される。人物の表情、セリフのやり取りによって徐々にスリルを積み重ねていく様はまるでカサヴェテス作品を見ているかのような気分に。チャドウィックボーズマンを初めとする役者陣の演技の熱量がこの作品に説得力をもたらしている。人種問題に触れた作品は今年相当数あるが、これに関しては指折りの傑作と断言したい。
朝田

朝田