マ

くれなずめのマのネタバレレビュー・内容・結末

くれなずめ(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

身近な同年代が亡くなった経験はないから分からないけど、監督の感情がそのままぶつけられたような映画だった。映画にする事によって成仏されたような感じ。どんな痛みがあっても、「映画にすれば良いや」って乗り越えられる気がしている。これは最近自分でもショートムービーを撮ってみて生まれた感情。

"死ぬ"事がこんなにもシリアスじゃなく描かれていて、でも泣いてしまって。それを「笑ってんのかーい」でまた成仏されて。その繰り返しネタにする感覚が、死んだ人を時々耐えられないくらい思い出す感覚と重なるのかなと思った。ノリはふざけてるけど本気だし、つまんない事ほど忘れてないし。急にフェニックスになったり、心臓を投げ合ったり、あの内輪ネタは傍観者からしたら意味分かんないだろうけど、彼らは本気であって絶対に必要なシーンだったと思う。対照的に土を掘り出すシーンは物理的な死、土葬をイメージさせられて…しかも友人を自分たちの手で成仏しようと、「アチイなぁ」とか言い合いながら必死に掘る意味よ…ヘラヘラからの重みがもう凄かった。死がこんなに新しいジャンルで伝わったの初めてだった。

悲観的に締め括る訳ではなく、爽快でもなく、なんだろう、続いていく感じ。これが残された者の味わいなんだろうと思った。エンドロールでは私も友人の一人になって見事に終わった。

映画館で観たかった。
マ