ロアー

Torremolinos 73(原題)のロアーのレビュー・感想・評価

Torremolinos 73(原題)(2003年製作の映画)
3.6
百科事典の訪問販売をしているアルフレド。売上げが下降の一途を辿り生活が困窮する中、アルフレドと妻のカルメンに、コペンハーゲンセクシャルリサーチ研究所監修『世界オーディオビジュアル生殖百科事典』の付録として、夫婦の性行為を記録した8mmビデオを作る話が舞い込む。

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#マッツ祭 18作目

スペイン版「全裸監督」です(「全裸監督」のおかげで説明が楽)。
『生殖百科事典』は週刊で毎号付録が付いてくるというR18版ディアゴスティーニみたいなもの。

内容が内容なので裸のシーンは出てくるものの、そこまで露骨ではありませんでした。いざ性行為を撮り始める前に、スーパーバイザーから服の脱ぎ方の指南を受けたり、手持ちカメラの組み立て方や撮り方の講義を受け、最終的には終了証書をもらうというなかなか徹底したお仕事。
最初の撮影ではぎこちなかった夫婦がコスプレをして楽しそうに撮影するようになったりと、大筋はコメディなんですが、ラストは切ない・・・実はこれ、夫婦の愛の物語でした。

マッツの役は、同じような作品ばかり撮っていることに疲れたアルフレドが、監督魂で長編を作ろうと思い立った作品に出演する役者マグヌス。億万長者の未亡人(妻カルメンの役)が映画のタイトルでもあるトレモリーノスで出会う死んだ夫に瓜二つな男という設定です。

何故この映画にマッツが出ているのかすっごく謎。
こういうのって、もっとキャリアの初期にやりそうな役なのに・・・
珍しすぎるブロンドだけでもインパクトがあるのに、イングリッド・バーグマンの映画に影響を受けたアルフレド監督のお陰で、死神役として謎のマント姿で登場していて、ホントシュール過ぎて大爆笑しちゃった。
その姿のまま浜辺でムール貝を食べる、ペダルボートを漕ぐ、首狩り鎌を持ってメリーゴーランドやジェットコースターに乗るなど、奇行三昧のマッツ。マッツのお尻が画面に大写しになるシーンも、とにかく笑うしかありません。ある意味マッツファンにものすごく観て欲しい映画です。
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