「取り憑かれた己の狂気作」
君の作品にはキャラクター性がない。
そう言われたあの淡い空の季節。
記憶に定着していない瞬間で、あともう一歩だと思ってなんとか頑張っているつもりだった。
そして、僕の日常は、漫画家としての生活と共に視界に映る日常の景色が畝るように鮮やかになった。
僕はますます描くことに夢中になって。
おそらく僕は何かに取り憑かれていて、それを“デーモン”とぽつりと呟いてみたけど。
今回の事件の結末によっての充足に辿り着ことは永遠にあり得ないだろう。
私は今後とも健やかに、下町さえも歩くことも許されないかもしれない。
幸せな家族を見るたびに。
私の罪悪感によってネームが描かれ始める。
シュッシュッシュッ。
僕がペンを握ることが今後あるだろうか。
スクリーンに映される支え合う時を噛みしみて心を重ねて愛し合った二人の響き。
お互いの可能性を信じあった瞬間のこと。
それだけは永遠に握りしめていて欲しい。