ボインゴまちお

キャラクターのボインゴまちおのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
3.5
【体験はリアリティを生む】

-注目ポイント👀-
①ダガーになろうとするFukase
②山城の心境
③最後まで裏切られる展開

①一家連続殺人犯を演じるFukaseだが、喋り方や仕草に不気味な感覚が纏わりついていた。しかし、Fukaseが両角というキャラクターを演じているだけでなく、両角もまたダガーというキャラクターを演じている。二重に演じなければならない所に、Fukaseという役者の素晴らしさが光る。

②主人公の山城が殺人現場にインスピレーションを受けたと同様に、彼の漫画も殺人犯に影響を与えることになる。漫画によって豊かな生活が手に入るが、それによって失われる命がある。このような状況を前に彼の心境の変化に目が離せない。

③終盤に差し掛かり、このまま物語が終わると一安心するのも束の間で、思わず「あっ」と言ってしまうような唐突な展開をむかえる。作者の考えるキャラクター像はかなり…

-感想✍️-
露伴先生も大事にしている「体験はリアリティを作品に生む」だが、リアルを生んでしまったようだ。
全員が全員彼のような強烈な体験をして、作品のインスピレーションを受けた訳じゃないだろうと思う反面、サスペンス系の漫画家の創造力の凄さにも気付かされる。
Fukaseの怪演は見応えがあり、ヒロアカの死柄木とかリコリコの真島役も似合いそう…是非!

-気になった点🤔-
バックボーンがイマイチ納得出来なかった。一応なぜそのような犯行をしたか語られるが、こじつけ感が強いと感じた。
他人から見た家族は本当に幸せなのかについてはここで触れることでもないが、真相は本人にしかわからない。と言いたい。