あおみどろ

キャラクターのあおみどろのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
4.5
創作への欲求と殺人の衝動が連鎖する、毒にも似たトゲトゲしさのあるサスペンス。

闇属性全開の菅田将暉や渋さ全開の小栗旬&中村獅童は言わずもがな素晴らしいのだが、何よりもセカオワのFukaseのイカレっぷりが凄い。初めて殺人鬼に心の底から「怖い」と思ったかも。優しげなFukaseでなければ務まらなかった役柄だろう………本当に怖かった。

作れば人が死ぬ。だがクリエイターにとって、突発的なインスピレーションとは捨て難いものであり、それが功を奏したともなれば簡単に手放すのは不可能だ。最終的に山城は作ることを止めるが、いつの間にか自らが忌避していたハズの殺人鬼と自分が繋がっていたというのはとても恐ろしい。認め難いが、劇中における『34』とはどうしようもなく、山城と両角の「共作」であったのだ。ラストにて両角をナイフで刺し殺さんとする山城の表情は、どこからどう見ても嬉々としていた。創作行為と殺人行為が深く深く結びつく、異色かつ斬新な1本だった。
あおみどろ

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