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BLUE/ブルーのTAKAのレビュー・感想・評価

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
3.8
本年ベスト1日本映画との声をあちこちで聞く今話題の【空白】の吉田監督の前作。
この作品も評価が高く見るのを楽しみにしていた作品。心にジワジワ染み入るせつない映画でした。

従来のボクシング映画と違い ラスト試合で盛り上げるというような映画では無く、ボクシングの魅力に取り憑かれて人生を漂う3人の男の物語。

東出、柄本2人のパートも素晴らしいが、出色は松山ケンイチ演じる瓜田。
ボクシングが好きで人一倍努力しているのに試合に勝てない男の悲哀を体全体で表現。
勝負事は努力ではどうにもならない事を自身気が付きながら、そこから抜けだせない、自分から見れば ある意味優柔不断な男をリアルに演じていて、見る側をイライラさせたり、哀れ身を感じさせたり、見ている側もどのような視点で瓜田を見て良いのか感情が彷徨います。

ラスト近く瓜田がライバルである親友に今迄溜め込んでいた気持ちを吐露するシーンがある意味見せ場であるし、見ている側も若干溜飲が下がるも、それが皆を幸せにする事はない事も皆わかっている切なさ。
瓜田がボクシングに出会った事は幸せだったのか自分にはわからない。
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