城戸

ほんとにあった!呪いのビデオ 90の城戸のレビュー・感想・評価

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お気に入り!『鈴の音』、あれだけ長尺を使っても緊張の途切れない静寂さが抜群。怪異に遭遇してパニクってブチギレてる撮影者も素晴らしい。『窓』、一発ネタとしての自覚があるのかすぐ出現して終わる切れ味のよさ。そして『フェンス』、長く続く夜の橋をガラ悪く歩いていく男たちを後ろから捉えたカメラ、無理やりフェンスによじ登ろうとする仲間を必死で止めようとする肉体的な運動でスリルを煽るという一連の物語が映画的。続く『団欒』も、怪異自体はちょっと笑っちゃう感じなんだが、映像が始まると前置きもなくすでに中腰で夜の森を歩いているというアドベンチャーにワクワクする。そして久々アタリのメインシナリオ、とあるアパートの一室を訪れた際に、カメラを視点と同化させる(=POV)のではなく、部屋を探索する複数人の動きを客観的に捉えていくあの長回し(とその終焉のサプライズ)の感覚が素晴らしかった。新演出、これから見ていくのが楽しみだ。
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