地味な男が一番怖い。
これぞナーメテーター映画。
アトロクでよく使用される表現、舐めてた相手がめっちゃ強かったという「ナーメテーター」。これぞナーメテーター映画であるのが、Mr.ノーバディ。
妻と2人の子供を持つ、ハッチは家庭内でも料理作りやゴミ出しを担当している平凡で冴えない夫であった。ある日の夜中、強盗に襲われた出来事をきっかけに動きだしたら、予想外に命を狙われる!?
体感1時間内くらい、リズム・テンポ感が素晴らしかったアクション映画。
まず冒頭のシーン、怪我したハッチが二人の警官に事情聴取から始まるが、余裕たっぷりの姿に只者ではない雰囲気がバキバキに出ており、出だしからヤバい映画も思わされる。
そして、そこから少し過去に場面は移り、普段のハッチの姿が映られるのだが、音の迫力が凄い。ジョギングして、料理つくって、ゴミ出しに間に合わず怒って、仕事に行って帰ってのシーンがテンポよく映される。
最小限に残されたシーンが繰り返されるのだけど、それだけでもハッチが地味な夫であることが伝わる素晴らしいシーンだと思う。
起承転結の前となる、導入部分がこれだけリズムよく描かれいるのが見ていて心地よかった。
その後のアクションシーン、特にバスのラストの行動などハッチの人物を通した内容が絶妙にバランス取れており、個人的には凄い好きだった。
証拠隠滅するための家ごと燃やすとかぶっ飛んだやり方が凄い好き。
そして、この映画でもっともテンション上がったのは、『バック・トゥ・ザ・フューチャーのドグ役のクリストファー・ロイドがハッチの父親役として出てくるんやけど、この人が今作で最も「ナーメテーター」だった。
82歳とは全く思えない。
ジョンウィックのデレク・コルスタッドが脚本してため、アクション含めどこかジョンウィックと思い出させるシーンがあるため、ジョンウィック好きなら間違いない。
Mr.ノーバディは主演のボブ・オデンカークが実際に家に強盗に襲われた出来事を元に作られた物語らしい。自分で経験したトラブルを自分自身が演じるってなんか面白い。
地味だからって、おじさんだからって、見た目だけで舐めちゃだめなんです。
地味な人ほど、怒ると怖いぞ。
今年見た映画の中で一番スカッとする映画だった。