のもちゃん

モーリタニアン 黒塗りの記録ののもちゃんのレビュー・感想・評価

4.1
私にとって、これまでで最も集中して観た映画でした。集中せざるを得ない内容でした。
自然災害ではなく、人がその手で一瞬に約3000人もの尊い命を奪った事件。犯人を極刑に!と願う多くの国民は「疑わしきは罰せず」の法の精神も危うくさせ、当時のブシュ政権は国民感情に相乗りした。
しかし、多くの国民から非難の集中砲火を浴びながらも「法の前に平等」を貫き通すため、丁寧に記録や手記を読み、事実を掘り起こした弁護士ナンシーに頭が下がる思いだ。
エンディングの字幕スーパー「モハメドゥは勝訴したが、オバマ政権は更に7年彼を拘束した。」に困惑させられた。ブシュは言わずもがなだが、ノーベル平和賞のオバマが"さらに7年"をなぜ選んだか? 答えは記載されていなかったが、憎みたくもなるアメリカ人女性とスラヒは結婚し、かわいい息子を授かったと知り、心からホッとした。
また、一旦はスラヒの自供記録を信じて弁護団から身を引いたテリーは、「死刑事件の弁護を専門に活動」しているそうだ。犯罪は憎むべきもの。でも冤罪は決して有ってはならない。ナンシーやケリーのような弁護士は、なくてはならない存在だ。
MFR、黒塗りの記録、それらの存在を知りました。どう理解すべきか…
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