azitarou

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライトのazitarouのレビュー・感想・評価

5.0
想像を遥かに超える異常な映像。少女たちを語る口を持たない観客は、磔にされたまま砂嵐に身を投じるような暴力的な美術、演出、感情の坩堝に引きずり込まれる。
獣が喰らい合うがごとく感情を剥き出しにしてお互いの本性を糾弾する壮絶な舞台には文字通り鮮血が舞い、剣戟が飛び交う本物の殺し合いであり、そのあまりの壮絶さに変形する列車も燃え盛るキリンも清水の舞台から飛び降りるデコトラも猫ちゃんオリンピックも真っ二つに吹き飛ぶ東京タワーにも疑問を抱かず首を縦に振るしかない。
これから訪れる別れを前に、苦しみを、葛藤を、自分自身を乗り越えて私を私だと宣言する少女たちの口上には命の輝きが迸る。そして開演するワイルドスクリーンバロック。こんな作品が世に存在していいのか。
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