Keitan

竜とそばかすの姫のKeitanのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.9
20210716 064
予告の感じだと、また「サマーウォーズ」みたいなお話?と思って観に行ったら、とてもそれどころじゃなかった。これまでの細田守監督作品のいいとこ取り。集大成とは言わないけど細田ワールドの幕の内弁当。母を失って内向的になってしまった少女が、仮想現実での体験を経て、現実でも立ち直るという王道のストーリーを主軸に、アバターや獣人、友達との青春、父親とのボツ交渉、果てはDV、おまけに美女と野獣のオマージュ(てかまんま)までww で、全体的にはミュージカル?な作品で、どれだけ2時間に詰め込むんじゃ!?と圧倒されつつも破綻なく物語を綺麗にまとめてしまう手腕は流石。

どのカットもアングルが決まっていて、シーン運びもとても良かった。Uの世界はCGアニメ、現実パートは手描きアニメと使い分けてあり、その対比も効果的。ここまでCGアニメを多用するのは細田監督としては多分初めてだと思うけど、壮大な世界観や無数のキャラクター、縦横無尽なカメラワークなど贅沢に演出が施されていて素敵だった。

龍の正体が分かるシーンにちょっとだけ唐突さを感んじたけど、作劇的には必要な要素だと思うし、ネットを介した展開ならまぁアリかな。全般的には大満足。最後まで気持ちよく楽しめた。前作「未来のミライ」はやや失速気味だったが、本作では観たかった細田ワールドが帰ってきた!
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