しゃり

竜とそばかすの姫のしゃりのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
1.8
これまでの細田守作品が大好きだったので、
今作も期待が大きすぎて、
観賞後しばらく言語化できでいなかったけれど…



ごめんなさい、まず歌に、全く感動できなかった、、、
『君の名は。』に感動できなかった感覚と似てる。映画の中での、日本語のあの歌詞が詰め込めない余白の多い、下手すると間延びするリズムでと、
囁くような脱力したような鷹揚な高い声は、作中にあって全然心に入ってこなかった…

作中で人物が歌ってる音楽に感動できるのはディズニーやミュージカルくらいだよ、、、あとボリウッド。

「なぜか聴いちゃう」っていうリスナーの台詞も分からなかったし、歌詞が良い訳でもないし、、、仮想空間での自己実現・自己表現が歌でなければならなかった理由は?
ピアノ演奏でも良いような。

あの声の、素朴で純粋な可愛らしい女の子が近所の公園で鼻唄ってるようなナチュラルさは
ナチュラルだからいいのであって
仮想空間で豪華に装飾して際立つものではないような気がする。

あと映像の印象は『千と千尋』観た時と似てる。
わかりやすく外国人が喜びそうな「JAPAN」を押し出していることが、少し切ないところが。

それでも『千と千尋』は、ストーリーが分かりやすかったし、個々のキャラクター造形が生きていて楽しく観られたのです。

そういう意味では、『竜とそばかすの姫』は個々のキャラクターが描き切れてなかった気もするし、愛すべきサブキャラもいないし、何よりストーリー構成に「…???」が多かった…
あんな小窓に映ったビルだけで高知の高校生が東京の住所を特定…いや、そりゃ可否で言えば可能なのだろうけど、あんな重装備を広げて電子機器を使いこなす女子高生はまず一般的ではないし共感できないしなんかもう…


いや、とにかくもう、世界を意識しすぎて(?)映像や音楽を盛らないでほしい。

この前『もののけ姫』を観て、力強さに圧倒され、こういう骨太なアニメーション映画をもっともっと観たいのだと、希求せずにはいられなかった。


ただ1つだけ、田舎の共学の公立高校の描写がとてもリアルで、ひたすらそこだけ切り取って映像だけでまとめてほしいくらいだった。

昼休みのパン販売、混声合唱の心の瞳、わちゃわちゃの部活勧誘、ガタイの良い男子のが大自然の中で部活をする勇ましさ、可愛らしい女子への同性の純粋な憧憬、帰り道の大自然、乗車率が極端に低い夕暮れの電車の郷愁、、、

ストーリー関係なくこれらのシーンだけひたすら眺めたい。笑
しゃり

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