ペコ

竜とそばかすの姫のペコのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.1
巨大インターネット空間の仮想世界を舞台に、心に傷を抱えた17歳の女子高生が、謎の竜との出会いを通して成長していく物語。少女の成長物語でもあり、現代のネット社会への警告や問題点を描いていたり、周囲の人たちとの繋がりや絆を描いていたりと、伝えたいことはとてもよく分かりました。歌唱シーンや、仮想世界Uのスケール感や映像の美しさも見応えがありました。
しかし何か面白さが足りなかった。何がと言われると難しいけど何か足りなかった。ものすごくスケールのデカいことをしていそうで実際は浅い内容で色々と詰め込み過ぎ感がありました…。みんなが竜の正体を暴こうと必死になる理由もよく分からなかったし、それに対してすずが悩み苦しむ理由もよく分からなかった。母親を事故で亡くしたという心の傷はあるものの、親友や周囲の大人にも恵まれて、イケメンの男子生徒がいて、仮想空間では世界的な歌姫という、そこそこのリア充ではある。男手一つで育ててくれた父親の存在が最後まで薄かった気がしました。せめて竜の正体は父親でしたというオチなら感動できたかもしれない。現実世界からログインする時やログアウトする時は、体はどうなってるのだろうか??気になることの描写が無かったのもスッキリしませんでした。「美女と野獣」のオマージュのようなシーンがありましたが、あれはどうなんでしょ(笑)
最後にすずが虐待されている子の家に向かうのだけど「いやっ1人で行くなよ!」「なんであれだけのヒントで簡単に家を特定できるんだよ!」「警察呼べよ!」とツッコみたくなりました。最悪、あのまま父親に殺された可能性もあるんだぞ!
最近の細田監督作品はあまり好きではないなぁ~
ペコ

ペコ