ふっかー

レンブラントは誰の手にのふっかーのレビュー・感想・評価

レンブラントは誰の手に(2019年製作の映画)
3.6
巨匠画家レンブラントのいくつかの絵画をめぐり、画商や貴族、富豪にコレクター、果ては二つの美術館までが購入に名乗りをあげる。絵画の行く先は。

本作はドキュメンタリー映画であり、プラス自分の知識不足もあって気持ちの盛り上がりは今ひとつ。しかしレンブラントを知ることができた。絵画を欲しい人たちや修復家の思いも。あんなスケールのデカい、それでいて繊細な絵画をバランス良く描けて、さらに人々の心を揺さぶるレンブラント。素人目で見ても凄いです。

そして誰の手に渡るのが作品にとって幸せなのか。あの絵はカネじゃないという人もビジネスだという人も、どちらもレンブラント愛なのでしょう。でもある意味、金持ちの取り憑かれた歪んだ愛なのかもしれません。

それにしてもヤン・シックス11世。レンブラントが描いたヤン・シックス1世の肖像画を所有するシックス家の御曹司。家の歴史が重いです。日本なら江戸初期?島原の乱の頃から?シックス家の血を絶やしてはならぬ、なんてプレッシャーが当然あるのでしょうね。

修復家といえば、いつだったか海外の教会でキリストか誰かのフレスコ画の修復を依頼したら、笑っちゃうぐらい絵の顔が激変したニュースがありましたね。本作ではそんな破滅的なオチはありません笑。どうかご安心を。
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