Kristen Stewartの美しい憂いの横顔を堪能する117分。CHANELの美しい衣装で颯爽と現れブリティッシュアクセントで喋り始めた姿は私の知っているKristen Stewartではなかった。メイクや服装と言うより、喋り方と立ち振る舞いでまるで別人のように見せる、これぞ女優だな…としみじみ思った。最初から最後まで全ての衣装に勝つKristen自身の美しさと繊細な表情に釘付け。
冒頭でTrue StoryではなくFable(寓話)と表記が出てきた通り、Princess Dianaの実話の再現ではなく、あくまで想像の話。なので妄想や幻覚のようなシーンも多くドラマチックな描き方だった。Dianaさんが例のCharlesさんとCamillaさんの不倫の件で鬱々と思い悩んでいる頃の数日間を取り上げているだけで、劇的な凄いことが起こるわけではないので、スキャンダラスな何かを期待して見にいくと面白くないと思う。
私は嫌なことがあるとかなり思い詰めて周囲の全部が最悪に見えてくるタイプで、上手く受け流したり、諦めて折り合いをつけることが苦手な人間なのでこの映画に出てくるDianaさんには結構共感を覚えると同時に彼女が置かれていたであろう息苦しくて腹立たしい環境を想像してめちゃくちゃストレスを感じた。あくまで寓話なので安易にこれを基に本人の評価をしてはいけないとは承知の上でCharlesさんが憎い。
WilliamさんとHarryさんはいつも笑顔の姿をテレビ越しに見せて下さるけど、あのお母さんをあのような経緯で亡くしてどんなお気持ちで今もロイヤルファミリーとして頑張っておられるんだろうか。息子さんたちとDianaさんのシーンが1番心に残った。
