伊藤

アフリカン・カンフー・ナチスの伊藤のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

映画館から出たときに☆4.2の満足感がありました。しかしこれは個人的主観が強くなっている感想であるということも理解しており、他者にこの映画について聞かれたときに答える評価値は☆1.3です。
小中学生の休み時間教室の後ろで開催されていた天下一武道会を、大人になってから映像作品として撮ってみたような映画です。少し画質の良い編集付きのホームビデオを観るような心持ちで観賞するべきかもしれない.褒めているつもりでこのレビューを書いています。

冒頭で神妙な語り口で「ヒトラーと東條英機がガーナで生き延びていた」という無茶苦茶な出オチ設定を刷り込まれ、そんなに面白くもない関西弁の字幕と共に、終始ぎこちなさの残る演技と低予算をダイレクトに感じられる撮影現場、映像に合っているのか合っていないのかイマイチ分からない音楽、しかし突如始まるキレの良いアクションシーン、諸々の高低差が激しく映画に関わる全てが足し算で構成されていた.

・「ヒトラーと東條英機がガーナで生き延びており天下一武道会開催」という出オチあらすじ
・枢軸同盟国のイタリアは第二次世界大戦時ポンコツ過ぎた為にガーナ侵攻面子から外された(それはそう)
・現地でその場のノリで突然映画タイアップが決まった映画と何の脈絡も無く“アドンコ”という現地の酒が作中でゴリ推しされている
・撮影の差し入れがアドンコの為、常に飲酒した状態で撮影されている
・撮影地が空き地の為撤収作業の都合上適当にガムテ止めされた血染めの党旗
・中学生が描いたかのような雑な旗の数々
・“ガーナ・アーリア人”
・武闘場の撮影現場から追い出され最終決戦のみ急遽屋外で行われている
・最終決戦のカラテ対決を周囲の冷やかしエキストラの子供が終始半笑いで眺めており画面端では飽きて体を揺らしている子供が見える
・カラテラスボスの立ち位置の東條英機の身体がだらしなく本当にただの一般中年男性でしかない
・カンフーで立ち向かう話のはずがヒトラーをカンフーで倒さない

その他諸々書ききれない程の要素が盛り込まれていた.
力が入っている部分とそうでない部分の落差が激しい.
家で酒を飲みながらだらだらと観たい映画です
伊藤

伊藤