・ミュージカル仕立ての明るいテイストにしたことで、オリジナル版の鬱屈した雰囲気や不快な展開が薄まり、ぐっと見やすくなった。
・一方で、当時の黒人女性たちの境遇の過酷さの描写や、クライマックスの解放までの溜めなどは多少犠牲になっている。
・キャスト、楽曲、美術は見応えあり。特にタラジ・P・ヘンソンは華があって良かった。
・前半の展開を巻いたことで、後半がちょっぴり間延び気味。
・歌にしたことでテンポが良くなったシーンと、ここは歌でなく台詞で描写してほしかったな…というシーンがあった。
・終盤のミスターの扱い方には疑問が残る。
現代的にアップデートされたことで多くの世代にリーチしやすくなり、女性のエンパワーメント作品としての掴みもしっかり持った面白い映画でした。
ただ、作り直したことによって新しい視点が生まれたかというとそうでもなく、そもそもリメイクの題材として適切だったかというと、少し悩ましいところがあります。