いろどり

漁港の肉子ちゃんのいろどりのレビュー・感想・評価

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)
2.0
これはダメだった。テーマがしぼられていなくて全然刺さらない。狙いすぎの演出が多く、入り込めなかった。やりたかったことを整合性なしに全部詰め込んだ感じ。大竹しのぶの声もあまり合っているとは思えなかった。映像や挿入歌は良かったと思う。

最大のしこりとしては太っていて思慮浅い肉子ちゃんをバカにした価値観で話が進む点にある。

肉子ちゃんという体型に由来した悪意あるネーミング。分かりやすい容姿の対比。心なんてないとでも言わんばかりに肉子ちゃんは顔がまともに書かれていない。作中、何度もキクコは心のなかで、肉子ちゃんを明るいデブとかほんまにアホとか言っている。太っていたり、思慮浅い人間をまるで劣っているかのように描いているのは耐え難い。(原作はもう少し温かさがあるようです。)

これを子供たちが観て、体型で肉子ちゃんとからかわれる子がいないことを祈ってしまう。明るい太った人はからかっていい対象じゃない。「愛があるから」は言う側の免罪符。「でも好き」なら何を言ってもいいとは思わない。体型をばかにするのはもう終わりにしようよさんちゃん。本人は自分の影響力をわかっているのかな。それが許されるのは明石家さんまだからなんだよ。
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