ガルベス

ボストン市庁舎のガルベスのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.0
当時のボストン市長だったマーティン・ウォルシュ(現バイデン政権の労働長官)を中心にボストン市庁舎を取り巻く様々な仕事内容や人々を映した272分に渡るドキュメンタリー映画。

市民に扉を開くことをモットーに、上辺でなく人種や性別、経済環境を問わず皆の意見に真摯に耳を傾ける様に民主主義の本来あり得るべき姿を垣間見た。

ウォルシュ市長のスピーチが高潔かつ率直で、ラテン系の人々、医療費高騰や詐欺に悩まされる高齢者、看護士、退役軍人、障害者などあらゆる人々を包摂するかのような感じで語りかけていて本当に素晴らしい。

市からの要請があったとは言え、様々な立場の市民が集って忌憚なくディスカッションすることで問題を解決しようとするシーンが白眉。

表向きには口当たりの良いことばかり言いながら実際は権力者なり既得権者の意向に沿う市政ではなく、市民の多様な意見をボトムアップさせ制度なり仕組みなりに反映させていくことの重要性を知らしめてくれる。
ボストン市のような取り組みが理想ではなく当たり前になればいいのに、と思わずにはいられない一作だった。
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