Tatsu

ボストン市庁舎のTatsuのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.2
ぽんぽんと繋がっていく顔や、モンタージュによる全体像の見せ方など、編集による演出とリズムの快楽で4時間半全くだれずに完走できる。行政と人の関わり、行政側の市長を中心に置きつつ、勿論上から目線の傲慢な作劇にならず、市井の人々の切実な訴えこそに耳を傾けていく。ここまで何も語らずとも、政治的意図が明確なドキュメントもない。終盤の大麻店のアジア系の出店者と地域の人々の対話は、話す人間の機微を細かく捉えており緊張感を宿すことに成功している。各シーンへの入り方(建物や場所を示すショットからその内部へと)の恐るべき簡潔さ。
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