furip

オートクチュールのfuripのレビュー・感想・評価

オートクチュール(2021年製作の映画)
3.8
「オートクチュール」を観ていました。

主人公ジャド、口の悪さにびっくり。
置かれている環境を考えると無理もない、けど、びっくり。小さな子供みたいだな、とも思いました。苦しい、辛い、伝えたいけど伝える術がなくて、どうしていいのか分からなくて、とか。

ディオールのベテラン針子であるエステル、最初その姿を観たときの印象は"いいとこのマダム"然とした雰囲気に感じたのですが、仕事仕事仕事、ザ・職人さん。き、厳しい、仕事に対する誇り、並々ならぬ熱量。

二人が出会い、ジャドに対して直感で才能を感じ、見習いにしてしまうってどういうことだと、突拍子もない、と思いますが、ちゃんと理由があってそれはストーリーが展開していくなかで明らかになっていきます。

ジャドとエステルの印象がみていると徐々に変わります。
面白いと感じたのは偏見の数々。眉をひそめてしまう言葉、行動がたくさんあって、ちょっとしんどいなと感じることがあるかも。あるいは空想的な展開だなと感じたりなど、するかもしれません。



すっごく嫌な人物だと感じてみていたひとが、実は思い悩んだり、自分自身で自分のことを突き放したり諦めたりしていたのかも、というシーンがあったり、主人公ではないけどアンドレとカトリーヌ、二人のやりとりがとても印象に残りました。アンドレがどうしてジャドに対し一々つっかかるのか、カトリーヌの問いかけと思いやり、それに対して素直に応えられないアンドレの不器用な、繊細なのだなと垣間見えたシーンが好き。
furip

furip