cinemaで逃避

楽園の夜のcinemaで逃避のレビュー・感想・評価

楽園の夜(2019年製作の映画)
3.9
久々の韓国ノワールを
タップリ堪能してお腹いっぱい

パクフンジョン監督って
暴力描写も上手いですけど
意外と
揺れ動く感情を掬い取るの
上手ですよね

分かりやすい感情に逃げないで
行ったり来たりする
矛盾するような人間の感情を
丁寧に描こうとしてくれる

この姿勢が鑑賞後の
「分からないけど分かる」
という感覚の根っこにある気がします

作中では効果音が少なく
物音がよく聞こえる臨場感
心地良い静寂に
済州島の美しい山、海
その中で
無常に人が死んでいくのが
弱肉強食というか
大いなる自然の摂理を感じさせます

レビュー見てると
北野作品に似てるって
声が多いですけど、
確かに北野映画リスペクトが
散りばめられてますよね

青みがかった画作りはモロだし
話の筋はソナチネで
ラストシーンはHANA-BIに似てる

かつて北野監督が
暴力礼賛映画監督だと批判されて
「銃を持った者は幸せになれない
作中で結局不幸になってる(=死)」
と反論されてましたが
この作品も
結局は2人とも死ぬし
なんか同じ哲学を感じますよね

水刺身食べたい