ねこだとらきち

マルコム&マリーのねこだとらきちのレビュー・感想・評価

マルコム&マリー(2021年製作の映画)
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私達が大好きな倦怠期パートナーシップもの+大好きなゼンデイヤ、ジョンデヴィッドワシントンのイケてる若手コンビ+イケてる音楽+グラフィカルなかっこいい映像でこりゃ面白いに決まってる、、、、はずなのにぃ、、、、

いやまあ大好きなジャンルと大好きな要素が集まった映画として一定値の面白さあるし好きなところも結構あったんだけど。どーしても残念なところが上回るなあ。

ジョンデヴィッドワシントンの「あの批評家は謎を嫌い全てを説明しようとする」「説明的な映画はもっと淘汰されるべきだ」というセリフはそのまんまこの映画に当てはまっちゃうよ。

倦怠期パートナーシップものの醍醐味は説明的なセリフをなく決定的な二人の断絶感やここまでのバックグラウンドを浮かび上がらせていくところにあるのに、
この映画は始まってそうそう今何をしてて私達は何者なのかというのを大演説してしまう。もちろんジョンデヴィッドワシントンとゼンデイヤの演技は素晴らしいけど。
当たり前だけど台詞の多い映画と説明過多の映画は全然別物なのだから。
こんな大変な演技をさせられたのに割にあわないような、、

例えば序盤のマカロニチーズのシーン。

倦怠期ものにおいてフード演出はつきものだ!ここでは口喧嘩をしているがマルコムがマリーの作ったマカロニをがっつき続けることで、マルコム側はまだグイグイ気持ちを寄せてることを表せてる。
ところがそれで十分伝わる演出なのにマリーに「あなたは罵倒しながら私のマカロニにがっつくのね」となんとも説明的な台詞を足してしまう。
そこで語られる映画論もわざわざ監督役の人が大演説するにしてはわりと当たり前のことってか、

再現ではなく解釈とか

主人公たちの設定とか会話劇中心なのはカサヴェテスの「フェイシズ」、オープニングのトイレは「アイズワイドシャット」と倦怠期ものの名作オマージュが散りばめられてた。