阪本嘉一好子

イエス・ジョルジョの阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

イエス・ジョルジョ(1982年製作の映画)
4.7
ルチアーノ・パヴァロッティのコメディだが、もし彼のファンなら歌を十分堪能できるし彼の自をそのままコメディにしたようだ。まず、最初はかれの故郷イタリアで、ニュヨークの公演に行くシーンから始まる。高級車に乗って空港に行くのだが途中、車がエンコして困っている年配の尼を乗せる。尼は彼を見るとハッとする。大好きなオペラ歌手ジョルジョ(ルチアーノ・パヴァロッティ)だから。彼女は惚けてかれに仕事は何かと聞く。彼はオペラ歌手、ジョルジヨと。しかし彼女は信じない。彼は自分のカセットを聴かせたり、彼女のために歌ったりして、やっと空港の特別機のところに着く。彼女は彼が自分だけのために歌ってくれてことで幸せいっぱいと伝える。ジョルジョは驚くが、彼女の掌にキスをして車を降りる。何度、観ても、滑稽だけど、ジョルジョの人柄の良さがよく出ている。最近、映画でこのようなシーンにお目にかかることがないんだよね。(私感)

こういう調子で、ニューヨーク、サンフランシスコへと講演に行く。
そして、サンフランシスコの彼の集会に集まった人々にサービスをするとき、トニーベネットの曲で有名な『思い出のサンフランシスコ』を歌う。
https://www.youtube.com/watch?v=r6DUwMnDxEs これはベネットの

これはかれが、オペラ以外にも挑戦している証。この映画でオペラ以外を歌うのはこの曲だけだと記憶している。オペラを広めるため、早くいったら歌謡曲を歌うということ。

この映画はサンフランシスコの召使役は中国人だと言うふうにかなりの場面でステレオタイプが多い。1982年の映画だから、今で考えれば、それだから笑えるところもある。演技はと言うと全く別問題だが、それより、彼の、オペラに対する考え方が広範囲なのがいい。小児病院のシーンを見ると、そこで、子供にデブ扱いされながらも、ジョルジョというオペラ歌手の存在意識を子供に与えている。三つ子の魂百までという言葉があるが、幼い頃(ここでは小学生だが、)ここでオペラ歌手と交わったことは子供は大人になっても覚えているということは将来子供はオペラが好きになったり、歌手になったりする可能性があると言うこと。彼は種まきをしているんだね。

https://www.youtube.com/watch?v=I-Ee4eZm7tw トレーラー
 
個人的にはオペラが好きなので、彼の歌唱力には魅せられている。この映画の最後のシーンには泣けた。付き合っていた女性はここで去るわけだが彼は涙を溜めてNessun Dorma (誰も寝てはならぬ』)を歌い切る。

https://www.youtube.com/watch?v=66W_SgR9v64  
 Nessun Dorma (誰も寝てはならぬ』)は
プッチーニ作曲の歌劇『トゥーランドット』のアリア