manami

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイのmanamiのレビュー・感想・評価

-
Fan's Voice最速試写会にて。

"Strange Fruit" というリンチについての曲を歌い続けるジャズ歌手を止めたい政府と、それと戦う歌手、Billie Holidayの伝記映画です。歌を歌うだけでは逮捕できない為、口実として麻薬が使われるのですが、その口実に苦しめられるBillieがひたすらに苦しい。

そしえ、他のレビューにもあるように、131分と2時間を超える長さにもかかわらず比較的平坦な作りになっているので中弛みが凄い。Billieの幸せを踏み躙りにくる政府、持ち直したところでまた踏み躙られるの繰り返し。

最初の方に出てくる「高価に着飾っているけど中身は淋しいやつなんだ(意訳)」という台詞が全てだと思う。表向きはキラキラした、美しい、強い女性だったかもしれないけれど、そのキラキラは彼女にとっては鎧だったのだろうと思う。

でもやっぱりBillie Holidayを演じたAndra Dayは主演女優賞取るだけあるなと思う、これが(ほぼ)初演技とは思えない。

……とはいえ平坦!が1番の感想です。伝記だから仕方ないのかもしれないけど。日付と場所の表示だったり、時間と色の使い方だったりもう少しどうにかならなかったのかなと思う部分もあります。

麻薬取締局の長官、70まで長官続けた挙句大統領(JFK)に表彰されるなんて皮肉だな。そして時代が移り変わっても法も人もそこまで変わっていないという事実。苦しい。

そしてエンドロールの映像、めちゃくちゃ好きでした。

注射恐怖症なので無理なシーンが多かった。

アフタートークで本作のAndra Dayの歌い方はBillie Holidayに似せてあると仰っていたので、凄いなあと思いました(小並感)。

あとやっぱりこの映画の時代背景的に白人は差別用語多用するし、強いまま壊れていくBillieが苦しかった。
manami

manami