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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイのcocoのレビュー・感想・評価

3.8
1959年44歳で亡くなったアメリカの
ジャズシンガー、ビリーホリデイの
波瀾万丈な人生を描いた伝記映画。

ビリーホリデイの曲は聴いた事あるけど
彼女自身については、何も知りません。

この作品を観たかった理由は
主演のアンドラ・デイがデビューアルバムを
買ったくらい好きなアーティストだったから。

で、ビリーホリデイを知らないので
似てるかどうかは、わからないけど
アンドラ・デイのさすがの歌唱力と
体を張った演技に惹き込まれる。

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1937年アフリカ系米国人へのリンチを
禁止する法案が上院で審議された

  法案は通過しなかった
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の文章から始まる。
は?ってなる。え?アメリカ人って
こんな事法律で禁止されないと
善悪わからないの?って呆れる。

そんな人種差別が当たり前だった時代に
『奇妙な果実』と言うリンチの事を歌詞に
した曲を歌い、政府から目をつけられる。

人種差別、DV、虐待、薬物などの
問題を抱えながらも、強く美しく観客を
魅了するビリー。

そんなビリーの影響力を恐れる政府は
連邦麻薬取締局のアンスリンガー長官を中心に
様々なやり口でビリー逮捕に執着していく。

観れば観る程、アメリカを嫌い&男嫌いに
なりそうな映画だった。

正義とは??

以前からずっと思っていた
アメリカのスターって何故こんなに不幸な
終わりを迎えるんだろうの疑問が更に強くなる。

必ずスターに薬物を教えたがる男と
暴力振るう男が登場するの何なん?

もっと大事にしてって思ってしまう。


人種差別も知れば知るほど酷い。




✄--------↓少々ネタバレ有↓---------------✄


ラストの
『死んで横たわる彼女を逮捕した』の言葉と

『2020年上院で審議されたが
通過しなかった』の言葉に絶望的な気持ちに
なったけど、

バイデン政権になった2022年、去年ようやく
反リンチ法が成立した事を知って
かろうじて少しだけ救われた。
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