わー

静謐と夕暮のわーのレビュー・感想・評価

静謐と夕暮(2020年製作の映画)
5.0
映画は雑念と共に観るもの。
その雑念とは自己の反映であり、だからこそ映画を観るという能動的行為が受動的な反面も持つ。
父との思い出、母との思い出。夏の匂い。
記憶を辿る旅。
完璧なカットの羅列。
聞き取れないセリフは自己が補完し、肉体と精神に呼応し、劇中で揺れる葉が心地よく感じる。
まるで自分がそこにいるような、風を感じるような。
見えていないはずの目の端を捉えてしまった、稀有な映画。しかし全て制御された世界なのが末恐ろしい。
監督の目には普段何が写っているのか。
非常に興味深い。
映画館のスクリーンを見つめながら、同時に自分の人生をも見つめる。
素晴らしき映画体験。
この作品を生み出した3人に心からの賛辞を贈りたい。
わー

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