ふっかー

クライ・マッチョのふっかーのレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
4.0
"今こそ、本当の強さの意味を問う"
ちょっとこの煽りに期待が膨らみすぎたかな。

時代設定が1980年のメキシコの田舎町とあって、物語や映像もゆっくり穏やかな作品となりました。今はあらゆるものが高速化しています。この物語中盤のように、もう少しゆっくり生きてもいい。

強さとは何でしょうね。
クリント・イーストウッド演じる老カウボーイのマイクは、強さとは誇示するものではないと言います。そして強い者が偉いのではない。そんな思いも込められているのでは。主人公同様に数々の栄光と挫折を味わった、イーストウッドから若者へのメッセージです。

そのイーストウッドも91歳。今年92です!
さすがにあの鋭かった眼差しにも変化が。やや膝が曲がった立ち姿や歩き方からも老いは隠せません。そういう演技?ではないと思います。だけど、それでもスクリーンに出る。これは俺がやると自ら演じる意欲。さらに監督まで。
ひとりの老いた俳優として自身のそのままをさらけ出す。それもある意味で本当の強さかもしれません。

ナタリア・トラヴェン演じるマルタの笑顔が良かった。笑顔は周りを明るくさせます。そのマルタにも苦労がある。彼女がいるシーンはどれもいいシーンでした。
ふっかー

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