鈴木ドミノ

クライ・マッチョの鈴木ドミノのレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
3.5
ネタバレというかもはやお約束なので、「ネタバレ無し」として書きますが、今回もイーストウッドが「アメリカ」に対してほとほと愛想が尽きたと絶縁状を叩きつける映画でした。

イーストウッドはアメリカ人、さらに言うと現代の世界に対して諦念しか抱いていないですね。

ただ、アメリカの否定は、アメリカの象徴でもあるイーストウッド自身の否定でもあるので、決して他人事かつ上から目線の批判ではありません。

とても真摯であると思うし、自分がイーストウッドの好きなところは結局そういう人間らしいところにあるのかなと思います。(是非は置いておいて)

カウボーイのコスプレをして「アメリカ」を否定して、牧歌的な理想郷の中で美女と踊る老人に対して、私は露骨な嫌悪感と嘲笑と共感と憐憫と感動を覚えます。

また、色々な意味で八方塞がりのアメリカと日本ですが、そこに生きる我々小市民として結局は『自分で決める』しかないのでしょうね。


"東京ってもうダメなのかな Babyちゃんダメなのかな 上野はイランの人にさ預けちまったほうが 赤坂は朝鮮の人にさ預けちまったほうが 新宿はフィリピンの人にさ預けちまったほうが この際"

「ECDの東京っていい街だなぁ」より引用。
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