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レミニセンスのyokoのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
4.2
予告で観た水没都市がインセプションでコブが彷徨うような記憶のモチーフかと思いきやこれは現実。水没都市と、記憶をたどる装置の水槽が掛かっているわけだがガジェットにマイノリティリポートのようなワクワク感はないがノーラン諸作品というよりはマイノリティリポート感はある。ノーラン兄とかSFとかのハードな時間読み解きものではなくふわっとしたKディックが書いたラブロマンスとして観るのが正しいのかもしれない。(トムクルーズ)あの時プールから顔さっさとだしてれば、あの時玄関の呼びかけにすぐ応じてればという足掻きからの暴走。レイチェルに執着するデッカード。

なぜ水没したのかは温暖化やらなんやらで、暑すぎて日夜逆転の生活を人々は強いられる。なので日没から活動しだすわけだがその瞬間の撮影がマジックアワーと言われていて1番美しいのだがラストでも言及されるわけだが確かに美しい。

ダムの結界で広がる水と暴動のインフルエンスをかけているのはジョーカーっぽくもある。

時空を超えて彼女が出したメッセージが届くがそれはサインや、メッセージ、インターステラー的な超越的な確信ではなく、2人の愛は本物であったという確信。


制作がウェストワールドコンビなので、娼館の女将(ワッツ)と青いドレスの女(愛人)が出ていたのが嬉しい。ウェストワールドはまだ途中なのだが箱庭系は箱から出だすとつまらなくなっちゃうので私の視聴履歴はシーズン1で頓挫している。このコンビ、ノーラン兄との違いはなんなんだろうか、おそらく宿命、使命という大きな話に兄ほど関心がなく、アンドロイド、正体のわからない女、みたいな存在にほんとうの愛を感じちゃう僕。乱暴すぎるか。絵的なスケールとミニマムな内容が合致してないと感じるならこのへんか。


ヒュージャックマンはプリズナーとかプレステージとか悲壮感漂う系はほんと始終頭カチカチで目的達成のためのマジ感しか漂ってないのがキツい。やはりウルヴァリンくらいのノリが一番合ってると思う。しかしザボーイズのおじさんにだんだん似てきたわ。
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